たかじんのそこまで言って委員会のキャスターでもある辛坊が出したベストセラー本というので読んでみた。ただ、副題が「ある日、この国は破産します」何?!破産国家にはIMFが融資をするのだが、日本はそのIMFに対して無償の融資をして‘あげている’立場。何かの勘違いでは?と思って読み進めると、なんと、とんでもない内容だった。破産の件はこうだ。「約1400兆円の個人預金が一斉に引き出されたら国は破滅する、というシナリオが貯蓄率の低下というかたちで忍び寄っています。云々」彼は日本国民全員が一斉に貯金を引き出すという事を想定して国家破滅の危機と言っている!めまいがする。だいたいそうなる前にあり得る状況(銀行の倒産や経済破綻、治安の悪化、暴動、その他)をすっ飛ばして一気に国家が破綻するって言うのか?なんじゃそれ?ちなみに国家破綻したギリシヤの政府の債務残高はGNPの1.1倍との事。日本はこの本の時点で1.7倍(!)。日本のどこに暴動が起こっているんだ?つまり、政府の債務残高と国家破綻には何の関係もないという、目の前の証拠を突きつけられて、それでも、「国の借金~」という神経が分からない。最後のまで読んだ感想では結局何が言いたいのか、何を提言しているのか分からない。ただ、現状に対する不満(いや、ただの不安?)を書き連ねただけ。経済学的にはすでに過去のものとなっている新自由主義を持ち上げ、(小泉・竹中時代が良かった!だって?この人、アメリカの改革要望書に沿ってやった(やらされた)‘郵政民営化’を賞賛している!)自分に都合の悪い情報には一切触れないという、典型的なアジテーション(煽動)。この論者がすぐに言い出すのが「ハイパーインフレーション」(1年間に数倍に物価が上昇する)。このデフレ不況にあえぐ日本でハイパーインフレを心配するというのは頭のネジが何か緩んでいるんじゃないかと思う。学校のテストで平均点取れない子がクラス一番になったら追いかけられる身になるから勉強しません、というようなものだ。「ゴチャゴチャ言う前に平均点取れよ」と言うのが、正しいアドバイスではなかろうか?
それにしても、こんなに質の低い本がベストセラーになることこそが、国家の危機ではあるまいか。