ちょっと、気になったので読んでみた。恐ろしく詳しい。私の世界史知識で内容はつかめるが、この分野では日本では間違いなくトップの杉山正明さすがである。今まで普通に習う世界の歴史に対する物の見方が大きく変わる。ここに書かれる13世紀の世界にあって、ヨーロッパは舞台にはついぞ登場してこない。ひたすらモンゴルの恐怖に怯えるユーラシアの辺境である。そして、大雑把には中華も同じ。実際シナの歴史にあって、漢人が統一した王朝というのは漢以降は明しかない。隋・唐も北方民族、宋は常に北方民族の遼に負けていた。そして、明がなぜシナを統一出来たかというと、北方民族の勢力が相対的に弱まったから、という外的な要因が大きい。(ちなみに明が滅亡するのに一役買っているのが、秀吉。彼の朝鮮出兵を阻止すべく明は軍隊を派遣するがそれによって国力が衰える一因になった)とにかく「中国四千年の歴史」等という言葉はウソ八百である。
ところで、モンゴルはなぜそんなに強かったのか。読んで感じたのは、結局組織力。言葉を換えると戦略ー戦術的思考がしっかりしていた事。なぜ衰退したか。帝位継承のシステムが全くお話にならないほど稚拙だったこと。それにしても、チンギス汗一門が様々な内紛を越えて百年という単位で言葉通りの意味で“世界”を支配したという事は紛れもない事実。本来ならもっと研究されるべきだと思うんだが…。