二十代の頃に一番読み耽っていたのが、アメリカのディーンRクーンツ。その頃、「ファントム」「ウィスパーズ」という名作を発表していたが、日本ではあまり有名ではなかった。本国ではスティーブン・キングと並んでモダン・ホラーの雄であった。時は流れて十年以上が過ぎ、自分でもモダン・ホラーの小説を出版し、何となくではあるが急にまた読んでみたくなって買った。磨き抜かれた文体、スリリングな展開はいつものことながら、その見事な文章に改めて惚れ惚れした。細部まで決して疎かにしないことによって、何とも言えぬリアリティが全編に立ち込める。本当、文章読本や小説家になるために系の本を何十冊読むよりも、この本一冊読めば、すべて分かる。そういった感じだった。絶対、お勧め。