« 2008年02月 | メイン | 2008年04月 »

2008年03月 アーカイブ

2008年03月02日

気まぐれな狂気;クライムサスペンス

たまたま深夜TVを観ていたらビンセント・ギャロが出てきたのでそのまま最後まで観てしまった。監督は脇でも出ているキーファー・サザーランド。良い演技してる。所謂麻薬絡みのクライム・サスペンスなんだが、このビンセント・ギャロ、別に悪人という訳でもなく、まぁ、言ってみればしがないチンピラなんだが、キーファー・サザーランド(作中は切れると銃を撃ちまくるヤバイ奴)と組んでしまう事で、ドンドン転落人生を歩むというもの。一つひとつが人生における最悪の選択をしているんだが、それが本人的には分からない。正に「俺たちに明日はない」のボニーとクライドの世界である。最近も講師と話している時に言ったことだが、人間皆が皆、成功を目指している訳ではない。中にはわざと失敗しよう、しようとする奴もいる。テスト前に自分の部屋を片付けたくなったり、大事な用事の前に限って夜更かししたくなったり。ほとんどの人はそれでも問題なく生きている訳だが、中には(つまり運が悪いと)本当にそれで失敗して、ヒドい時には人生を棒に振る輩も出てくる。これこそ正に自由の代償なんだが、こういった破壊衝動、破滅願望は実の所、誰しも持っているものである。怖いからしないだけで。映画の世界でそれを見せられると、ある種急に、大人しくなってしまう。犯罪はあなたの知らない世界では決してない。我々のすぐ傍、いや我々自身の中にその萌芽を持っている。つくづく考えさせられた。ジャック、なかなかやるじゃん。良い映画だ。ハッピー・エンドじゃないのが、悲しいけど。

2008年03月03日

夏だ、ビーチだ、案山子男だ!

どこの国でも事情はよく似たものなのか、B級ホラー量産体制の中で生まれた作品。適度に怖く、適度にゴアシーンがあって、適度にエロく、まぁ、何事も適度が一番と言ったところか。ストーリーもちゃんとドンデン返しが用意されているのだが、その割に盛り上がらないのはなぜだろう?思うに、案山子に霊が取り付くという設定自体になんか、無理があるような気がするのだが。アメリカの若者には案山子が怖いという文化土壌があるんだろうか?ちょうど、日本で言うと人形みたいな…。出ている女優さんも僕好みではなかったので、全体的にパッとしなかった。(それなら、観るなって)

2008年03月05日

歴史の冒涜だよ

最近、やたらと迷惑メールが多くて、毎日百件近い。削除するだけでも時間がかかる。それから、もう一つ私はSNSにも登録しているのだが、こちらはネットビジネスの勧誘がこれまたやたらと多い。それも、匿名で送られてくるのがほとんど。信用してもらえると思っているんだろうか?名前も名乗らずに。まぁ、私自身は完全に無視しているので良いんだけれども。そうしていると、今日新手のブログからコンサルタントか何かを勧誘するのが来た。ブログを見てみると、曰く、「昔の日本には武士道という倫理がしっかりあって日本人は誇り高い民族だった云々」という何とも短絡的な思考。一体この人歴史を自分で勉強した事あるんだろうか?武士道なんて、全国民の10%程度に当たる武士階級のみに通用した道徳規範。それも、彼らの“憧れた”規範であって、何も実践していたものではない。鎌倉以来、武士は大事の時には命を投げ出す覚悟を強いられていたのは事実だが、それをもって日本人全体の道徳基準を語るなどと、全く歴史の冒涜も甚だしい。でも、こういう感性のビジネスマンって多いんじゃないかな?武士道と金儲けほど、両立不能のものはないとも気付いていないんだろうなぁ。以前にも書いたが、昨今日本が犯罪大国のように喧伝されるが、これも全くマスコミの報道を鵜呑みにした短絡的な思考。いつの時代にも犯罪者はいたし、江戸であろうが、明治であろうが、目を覆いたくなるようなむごい事件は常にあった。忠臣蔵にしても、視点を変えれば四十七人の兵隊が老人一人を襲うという集団リンチ事件じゃないか。歴史を美化したり、貶めたりせずにあるがままを見ろよ。なぜ、自分に有利な事しか見ない。市井の歴史研究家としてとても腹が立つ。こんなのはどう?

2008年03月11日

久々のC級!キャンプ・フィアー

キャンプ場を舞台にしたサイコキラー物といえば「13金」だが、それを意識したのか、しなかったのか、相当出来上がりはヒドイ。物語の半分程度で犯人は分かってしまうし、ゴア・シーンはどう、お世辞を言ってもチープ。(予算の問題か?)展開がありきたりなので、最後にボーガンを使うなという所まで読めてしまう。驚愕のラストは一応待っているが、何でそうなるの?みたいな不思議な終わり方。出てくる女優は皆ボインでタンクトップ。しっかり押さえているのはそれぐらいか。主演の女優さん、あまり可愛くないよ。アマゾンで探したが、なかった。突っ込み所満載の久々のC級ホラーだった。やれやれ。

2008年03月16日

大帝の剣;面白い!

長谷川京子が好きだ。どっからどう見ても美形だし。夢枕獏の小説の映画化という事で期待して観た。実際、面白かった。日本の映画ゆえ、SFXのちゃちい所とか、演技の微妙な所とか、ストーリー・脚本など突っ込み所は多いのかも知れないが、いやいやどうして、ちゃんと娯楽作としてよく出来ていると思う。竹内力の好演が光るなぁ。そして、やっぱり長谷川京子は美しかった。阿部寛も格好良いし。お勧め。

処刑島、まずまずの出来だが

犯罪者たちが無人島に連れて行かれて、でもそこにはトンデモナイ殺人鬼がいた…、どっかで聞いた事のある内容は、私の「狂気の島」とあらすじが微妙にリンクしている。出版が本決まりだった時、日本での公開が遅れる事を願っていた作品。実際見てみたら…、あまり関係なかった。と言っても、ゴアシーンは結構あって、首チョンパや、生きたまま焼かれたり、罠で足切断、その他なかなか見応えはあった。ストーリーが微妙にご都合主義なのと、犯人の設定がやや唐突か?でも、全体としてはノンストップで見れる、上質な作品の部類に入ると思う。

2008年03月17日

これぞ、モダン・ホラー「ハズバンド」!

二十代の頃に一番読み耽っていたのが、アメリカのディーンRクーンツ。その頃、「ファントム」「ウィスパーズ」という名作を発表していたが、日本ではあまり有名ではなかった。本国ではスティーブン・キングと並んでモダン・ホラーの雄であった。時は流れて十年以上が過ぎ、自分でもモダン・ホラーの小説を出版し、何となくではあるが急にまた読んでみたくなって買った。磨き抜かれた文体、スリリングな展開はいつものことながら、その見事な文章に改めて惚れ惚れした。細部まで決して疎かにしないことによって、何とも言えぬリアリティが全編に立ち込める。本当、文章読本や小説家になるために系の本を何十冊読むよりも、この本一冊読めば、すべて分かる。そういった感じだった。絶対、お勧め。

2008年03月19日

300;何の為の“生”か?

一時話題になっていた「300」を見た。スパルタの王がペルシャ軍と300人の手兵だけで戦いを挑むという物語。まあ、現実にはありえないが、映像は非常に美しく物語としても見応え十分、面白かった。その中で、やたらと強調されていたのが、「自由の国;ギリシヤ」と「暴君の国;ペルシャ」という構図、それと「歴史」に名を残すという行為。そもそも人は何のために生きるのか?「家族のため」から「自分のため」「国のため」と答えは様々だが、結局の所、答えは一つにはならない。「自由のため」なら尊くて「お金のため」なら卑しいのか?若い頃ならそんな問いすら思いつかなかったが、よく考えてみるとそれほど大差ないような気がしてくる。これは当然、命の重さとの相関なのかもしれない。それでは、命の重さとは?これも答えは同じ、あるといえばあるし、ないといえばない。昔、「命は地球より重い」みたいな発言がよく言われたが、トンデモない幼稚な道徳意識である。生きる事には実は意味などなくって、そのためどんな意味をそこに見出そうと自由である(そして人間的な自由の本質はそこにある)のと同じように、命には実は重さなどないのだろう。何に“美”を見出すのか、それも自由だ。そして、言語を操る人間として「歴史」に特別な意味を見出すのは理に適っているように私には思える。最期の戦いに向かう王の遺言は「Remember us(我々を忘れるな)」だった。つまる所、西洋の武士道物語とでもいう事なのか。

2008年03月22日

久しぶりの近況報告

受験が一段落し、我が中野ゼミナールでも開塾二度目の春を迎えている。ここ数日、ドタバタと所謂「駆け込み入塾者」の対応に大わらわ。チラシ・投げ込み・紹介まで今年はやったので、こうして反応があるだけでも嬉しい。塾の本分は?と問われれば、そりゃあ、成績アップ・志望校合格だろうと誰しもが答えるだろうが、それではそのためにあなたの塾はどんなシステムを持っていますか?と問われれば即答出来る塾はそう多くない。大手は物量作戦で勝負するし、個人塾は塾長の個性で勝負する。私自身はどちらも納得出来ない部分があって、自分でやる事にした訳だが、ここに来て何とかその方向性ぐらいは見えてきたかな?と言う感じである。これを見て私の活動を知る人も多いと思うので、今後の動きをざっと書いておきましょう。
①明日、作家を囲む会…若いギャルとの飲み会。ホラー小説について語り合う。
②来週、春期講習会
③来週、土曜日 京都文教大学のオープンキャンパスで講演会(去年秋にやったのの今年版。)
④翌日曜日 スタジオ入り開始。5月3日の単独ライブに向けての初練習。
相変わらず、無茶苦茶でんなぁ。でも、楽しそうでしょ?

2008年03月24日

作家を囲む会;報告

作家(つまり私)を囲む会に行って来ました。とても、面白かったですねぇ。まぁ、全くの見ず知らずの人から自分の小説の感想を聞くのは、私にとっても初めての経験だったので、何だか恥ずかしいやら、誇らしいやら、お尻がむずがゆいような感覚だった訳ですが、楽しい歓談でした。その中で、つくづくと自分の中にある“文学的なるもの”を確認しました。ちょうど、今読んでいる最中なのが、これ。久しぶりに文学論でこんなに面白い本に出会った。さすが早稲田大学の一番人気講座だけはある。この中でも語られる「スプラッター・イマジネーション」を考えている。作者の開口一番の文がこれ。
「あなたは人に他人には絶対に言えないことをだれだけ抱えていますか?」
ウ~ン、素晴らしい。やっぱりこういう人はいるんだ。オレだけじゃないんだ。そういった感覚。何度も繰り返すが、私は「勝ち組/負け組」とか「格差」とかとにかくそういった経済的成果でしか人を見ない社会が気に入らんのである。最近も、意味不明なネットビジネス野郎から「情報交換しましょう」みたいなメールがいくつも届いて(当然すべて無視している)、こいつら何を知りたいんだ?少なくとも、私は知りたい事など一つもないのに、みたいな、つまりお金のもうかる話なら誰でも寄って来るだろうという下心見え見えの態度が何とも気に入らんで、ムカツイている時だったので、囲む会とともに、この本でとてもリフレッシュ出来ている。楽しいひと時を設けてくれたK君以下、ありがとう。
続編をやっぱり書きたいと奥さんに言ったら、怒られた。クソッ。

2008年03月29日

京都文教大学講演;報告

本日、京都文教大学の春のオープンキャンパスが開催されておりましたが、特別講演という事で再び行って参りました。今回は時期も時期なので具体的な問題分析というより、一年間の過ごし方総論というテーマ、まぁ、私の得意とするところであります。参加人数はそうですねえ、それでもやっぱり60~80辺りはいたかと思います。とても気持ちよくしゃべれた(みんな真剣そのもの)ので、予定時間をややオーバーしても最後のテーマに至らないという感じ、最後は随分はしょってしまいました。春期講習会の合間ではありましたが、まだ時間にも余裕があったので楽しい仕事でした。何とか塾の仕事全般が落ち着いてきたので、来週は研修会及び春の慰労会という事で社員たちとお花見に行く事に決定しました。また、報告をupしたらご覧下さい。

2008年03月31日

様々な思いが錯綜した日

久しぶりの日曜日らしい日曜日。昼から友人が本社を移転したという事で、お祝いのご挨拶に。そのままトンボ返りでスタジオ入り。約一月ぶりのバンド練習を終えた後、家へ。TVを適当に見ているとまぁ、色々な番組が相変わらずあるもんだ。中でもびっくりしたのが、熱帯まで行って可愛そうな動物を助けている人たちを撮っている番組。何が理由か知らないが、片耳がちぎれたゾウを助けるのをやっていて、最後にテロップで「このゾウもいつかジャングルに戻って幸せに暮らす事を祈って…」みたいな字が出てきた。(!)おいおい、動物に「幸福感」なんてないよ。誤解されないように書くが、「幸せ」というのは、「生の実感」を持てなくなった人類特有の幻想なんだ。そんなモノ、自然界にはない。そしてないのが健全なのである。動物たちは「あるがままに」生きている。「生きがい」も「孤独」も「自意識」もすべてヒトという種が言語を生み出したせいで持ってしまった一種の病のようなものなのである。何ともノー天気な番組だった。チャンネルを変えると「タイムマシン」という映画。これも何だか、モダニズムの臭いがプンプンする勧善懲悪ストーリーに辟易する。だから白人はダメなんだ。自分と異なるものに対する畏敬や畏怖の念がなさすぎる。
ただ、見ている時に思いついた事がある。今では残骸しか残っていない「社会主義」というのは、全く純粋で歴史を持たないヒトを頭の中で想定してそこからユートピアを導き出すと完全な平等社会が訪れるという観念に基づき生み出されたデストピアだったんだが、私に言わせればその端的な特徴は「幼稚」である事である。それに対して「自由主義」とは「自由」とりわけ「好奇心の自由」を称揚する。でも、よく考えるとこれも実は「幼稚」さに由来している。つまり、自分の好奇心を制御できない「ガキの思考」だという意味で。
社会とか歴史とかいったものは、どこまでも「蓄積」の所産なのだ。すぐに答えは出ない。現代科学の見果てぬ夢として描かれる「タイムマシン」とは結局の所、「時間の征服」(また、“征服”だ!)ヨーロッパ人という人種はどうしてこう、なんでも征服したがるんだろう。何千年もそのことによってどれだけ多くの血が流されてきたのかまだ気付かないのだろうか。映画の中では地底人が絶滅させられていた。理由は彼らが好戦的で醜く、自分の好みの女をさらったから。何とも浮かばれないよなぁ。
そのあと堂本兄弟で黒人の演歌歌手を初めて見てびっくり。
最後にワウワウで再び「シン・シティ」を見てやっと嫌な気分が回復の方向に向かった。もう、テレビ見たくない!

About 2008年03月

2008年03月にブログ「校長室」に投稿されたすべてのエントリーです。過去のものから新しいものへ順番に並んでいます。

前のアーカイブは2008年02月です。

次のアーカイブは2008年04月です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。