気まぐれな狂気;クライムサスペンス
たまたま深夜TVを観ていたらビンセント・ギャロが出てきたのでそのまま最後まで観てしまった。監督は脇でも出ているキーファー・サザーランド。良い演技してる。所謂麻薬絡みのクライム・サスペンスなんだが、このビンセント・ギャロ、別に悪人という訳でもなく、まぁ、言ってみればしがないチンピラなんだが、キーファー・サザーランド(作中は切れると銃を撃ちまくるヤバイ奴)と組んでしまう事で、ドンドン転落人生を歩むというもの。一つひとつが人生における最悪の選択をしているんだが、それが本人的には分からない。正に「俺たちに明日はない」のボニーとクライドの世界である。最近も講師と話している時に言ったことだが、人間皆が皆、成功を目指している訳ではない。中にはわざと失敗しよう、しようとする奴もいる。テスト前に自分の部屋を片付けたくなったり、大事な用事の前に限って夜更かししたくなったり。ほとんどの人はそれでも問題なく生きている訳だが、中には(つまり運が悪いと)本当にそれで失敗して、ヒドい時には人生を棒に振る輩も出てくる。これこそ正に自由の代償なんだが、こういった破壊衝動、破滅願望は実の所、誰しも持っているものである。怖いからしないだけで。映画の世界でそれを見せられると、ある種急に、大人しくなってしまう。犯罪はあなたの知らない世界では決してない。我々のすぐ傍、いや我々自身の中にその萌芽を持っている。つくづく考えさせられた。ジャック、なかなかやるじゃん。良い映画だ。ハッピー・エンドじゃないのが、悲しいけど。